ブリキの騎士で思い出す

先日誕生日を迎えたんだけど、十の位が五に変わる区切りのバースデーともなると、加齢に伴う肉体の衰えをひしひしと感じながら、若干暗い気持ちにならざるを得ないですな。

肩や腰の痛みに加え、近視with乱視の視力はいつの間にかfeat.老眼のコラボレーションにより、スマホを操作する際は実生活の中で一度メニューボタンを押して装備画面に移動し、眼鏡を外す必要があるわけです。わりとスマホを仕事で使う身にはなかなかにシビアな問題ですぞ。とほほ。

しかし、ゲームをしていて痛感する最大の老化的自覚症状は“記憶力の低下”にほかならないわけで。オレの場合、一度脳のアレで倒れてるので一概に老化のせいとは言いにくいけど、キャラクター名やアイテム名はろくに覚えないし、ゲームプレイにおいて非常に致命的といえましょう。

酷い場合は一度クリアしたゲームのストーリーを全然思い出せないこともあるのよ、たまーに。そのおかげでフレッシュな気分で2周目を遊べるメリットもあるけど、まぁ、冷静に考えると悲しさだけが残ります。寒さ堪えて編んでます。何を?

例えば『ブリキの騎士』のようなメトロイドヴァニア型のアクションゲームの場合、ステージ構成を全然覚えられない。この扉はどこに通じていて、そこから目的地にたどり着けるのか、絶望的にわからない。1分間に5、6回はマップ画面をパカパカ開いて逐一確かめながらの探索となり、車に例えるとナビをガン見しながらの運転に近いわけで、決して褒められたものではないし命の危険にも繋がりかねない。これが車の運転じゃなくて本当によかったし、なぜここで意味不明な例え話を挙げるのか我ながら理解に苦しむのでおススメのお医者さんをご紹介いただきたくもある。

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ともあれ、そんなマップ画面パカパカおじさんではあるけど、それでもエンディングまで楽しく遊べたのは徐々に増えていくアクションと小気味よい操作感、それらに支えられて上達するプレイヤースキルの絶妙な上昇具合にあると考えるのです。

正直最初のうちはできるアクションも限られ、マップもなく、結構苦痛を強いられる時間が長いんだけど(実際そういう意見も多く、途中で投げた人をチラホラも見かける)、マップを拾い、アクション拡張モジュールを入手しだしたあたりから遊び応えが倍々に増えていき、強敵や難解なフロアの攻略に対してどんどん活路を見出すことができるのよ。

なにより、本作でアクションゲームのおもしろさを思い出したのが最大の収穫だなー。必死に『マジカルツリー』をクリアしたことや、友人宅でゲラゲラ笑いながらプレイした『カトちゃんケンちゃん』の記憶が甦っちゃったよー。記憶力は落ちてるのにこういう記憶は鮮明なのな。

参考:マジカルツリー(MSX版/プロジェクトEGG)

ネットでの評判はどちらかというとあまり芳しくないし、同じメトロイドヴァニアタイプの『Hollow Knight』や『Celeste』と比較する気持ちはわからないでもないけど、少なくともオレには絵本のような手描き風グラフィックや北欧民謡ぽさが漂うBGM、水槽型の頭部にいる魚がブリキのロボット騎士を操縦しているアイデア(アクションしすぎると水温が上昇して魚が操縦できなくなる点も素敵)を含めて、この衰えた記憶にしっかり爪痕を残した良作だったことは確かだなー。

まぁ、いろいろもったいない点はあるけどね。アクションモジュールの入手場所とか、やり込み要素の物足りなさとか。ボスや敵ラッシュ直後に生き残っていた仲間が現れて物語が進むような展開を加えてストーリー性を持たせてほしいなーなんて考えたりするけど、そのあたりはぜひ続編で実現してほしいし、実は『Hollow Knight』も『Celeste』も未プレイなので、思い出したアクションゲームの面白さが蒸発しちゃう前に、それらも体験しようと思った次第でーす。

■ブリキの騎士
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せがれが「誕生日プレゼントに新しいスマホが欲しい」と言ってます。助けて。